豆腐が酸っぱくなっても食べていい?原因を調べてみた

豆腐が酸っぱくなっても食べていい?原因を調べてみた

一人暮らしで自炊をよくするゆーぎです。買っておいた食材の賞味期限を切らせてしまうことが多いのが悩みです。


多くの場合、賞味期限が切れても「まだ食べられるやろ」と使ってしまいます。今回も例にもれず、賞味期限が一週間過ぎた豆腐を発見して味噌汁に入れて食べたわけです。そこで味噌汁にあるはずがない酸味を感じました。


近頃コロナウイルスがはやっている関係か、味覚障害を疑いました。
しかし調べてみると豆腐が酸っぱくなるのには理由があるようです

豆腐は酸っぱくなっても食べられるのか

question

結論から言うと食べないほうが良いです。
豆腐が酸っぱくなっているということは、腐敗菌が原因となっており、新鮮ではなくなっています。乳酸菌の作用とされる話もありますが、この記事で後述する理由からもこの線は薄そうです。
つまり、酸っぱくなっている豆腐は体に良くないと考えられます。

腐敗菌の生み出す毒素により食中毒になるリスクも考えられます。買ってすぐのものを調理するようにし、味が変だと思ったものは食べないようにしましょう。

以下で豆腐が酸っぱくなる原因について詳しく見ていきましょう。

豆腐に発生する腐敗菌とは

原因の一つとして、豆腐に含まれる大豆たんぱくが微生物により分解され、その副産物として酸味が発生することが挙げられます。
このような分解作用は発酵もしくは腐敗と呼ばれます。
この二つは原理的に同じような作用ですが、人にとって有益かどうかで区別されています。まずは健康に害を及ぼす腐敗に注目します。

豆腐の腐敗の原因となる菌はウェルシュ菌セレウス菌ボツリヌス菌黄色ブドウ球菌などが考えられます。

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主な菌の特徴は

ウェルシュ菌

  • 食品に付着して増える感染型
  • 自然界に広く分布する嫌気性菌
  • 家畜の糞便や魚から検出される
  • 熱に非常に強い
  • 肉類、魚介類、野菜類を利用した煮込み料理が原因となることが多い
  • 腹痛、下痢などの症状

セレウス菌

  • 食品中で大量に増えた細菌が毒素を作る毒素型
  • 自然環境や農畜水産物に広く分布
  • 耐熱性がある
  • 下痢型と嘔吐型がある

ボツリヌス菌

  • 食品中で大量に増えた細菌が毒素を作る毒素型
  • 土壌や泥砂中に分布する嫌気性菌
  • 自然界にある既知の毒素の中では最強の毒力
  • 酸素の無い状態になってる食品が原因となりやすい
  • 吐き気や嘔吐、視力障害、言語障害、えん下困難などの神経症状

黄色ブドウ球菌

  • 食品中で大量に増えた細菌が毒素を作る毒素型
  • 喉の奥や鼻の中など身近に存在
  • 菌自体は熱に弱いが、毒素は熱に耐性がある
  • 多くの食品が原因となりうる
  • 吐き気や嘔吐、腹痛などの症状

東京都福祉保健局の保健衛生の窓、食中毒を起こす微生物 参照

となっております。

対策として共通しているのは

Point!

・食材の購入後なるべく早めに調理し、作り置きしない

・一度で食べきれない場合は小分けをし、低温保存し(急激に冷凍するのがベター)、すぐに消費すること

清潔な環境で調理、保存すること

が推奨されています。

耐熱性がある菌や毒素が多く、すでに菌が増えているであろう今回のパターンでは、加熱殺菌も困難であることが考えられます。

上記から腐敗により味が変化した豆腐は食べないほうが良いことが確認できたかと思います。

乳酸菌が原因で酸っぱくなる!?

調べを進めていると、豆腐に本来含まれている乳酸菌が増殖し酸っぱくなっているという情報もありました。yogurt
その情報にはソースはなく、豆腐に乳酸菌が含まれているとの情報が出てこなかったので、詳しく調べてみることにしました。


まずは乳酸菌とはどのようなものなのか見てみましょう

発酵によって糖から乳酸をつくる嫌気性の微生物の総称。腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整える。
発酵によって糖類から乳酸を作り出す性質を持つ微生物のことを指します。人体に有益な菌のため「善玉菌」とも呼ばれます。
食品としては、ヨーグルト・チーズ・漬け物・日本酒など発酵食品の製造に使われています。ヨーグルトなどでよく知られているビフィズス菌も乳酸菌の一種です。

乳酸菌.e-ヘルスネット.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-026.html.厚生労働省 より引用

とあり、簡単に言うと乳酸を作り出す微生物の総称らしいです。
確かに乳酸が増えると酸っぱくなるのですが、問題は豆腐に乳酸菌が含まれているのかどうかです

乳酸菌は主に食品の製造に利用されます。しかし豆腐はそもそも発酵食品ではありません。現に原材料のうち大豆以外の凝固剤や消泡材には乳酸菌は含まれておりません。

ならば「大豆に含まれているのではないのか」と思い調べてみましたが、そのような情報は見つからず、大豆に菌を加えて発酵させるような食材についてしか出てきませんでした。
そもそも大豆に乳酸菌が含まれているのならば「豆乳ヨーグルト」といったもののように乳酸菌を加えた商品を開発したり、納豆菌や麹などの発酵に必要なものを加えずともよいのでは…?と思います。

大豆に乳酸菌が含まれているという情報のソースがなく、上記の理由から乳酸菌により豆腐が酸っぱくなっているという線は薄いかなと思います。


具体的な情報等があれば教えていただきたいです。

なお大豆と発酵の相性は非常に良いです。納豆や味噌、醤油は大豆を発酵させた食品ですがどれも栄養価が高いことは有名です。

まとめ

NG

豆腐が酸っぱくなる現象は乳酸菌が原因であるとの話がありますが、腐敗菌が原因かと思われます。
「豆腐が腐ったときの見分け方」などの情報が散見されますが、僕の場合外見上違和感がない商品にて酸味が感じられたので、対策としては清潔な環境で管理するのは大前提で、賞味期限が切れた豆腐は原則食べず、購入後になるべく早く消費することしかなさそうです。万が一食べてみて酸味を感じたらすぐ破棄した方がよいでしょう。

調べていて、食中毒の原因となりうる菌には熱耐性があるものが多いのを知り、加熱調理をすれば安全だと思っていた自分としては衝撃でした。本件に限らず、食材の扱いとして適切な保存方法で賞味期限を守ることは大切であり、味に違和感があったらやばいということを再確認した次第です。
また調理をした後、室温で放冷をすることは菌の増殖を招くことも驚きでした。これからの季節暑くなってくるため、より一層食品の管理には気を付けていきたいところです。